インビザライン中に頭痛がする理由と対処法
こんにちは。船橋市のタワーサイド歯科室、院長の齋藤です。マウスピース矯正のインビザラインで歯並びを治療している間は、他の矯正方法と同様に頭痛を経験することがあります。事前にその理由と対処法を知っておくと良いでしょう。今回は、そんなインビザライン中に頭痛が起こるタイミングや理由、頭痛の予防法と対処法を船橋駅より徒歩2分のタワーサイド歯科室が解説します。
目次
インビザライン中の頭痛の理由
インビザラインは、透明な樹脂製のマウスピースを装着して、出っ歯や乱ぐい歯などをきれいに整えていく矯正システムです。従来のワイヤー矯正とは、見た目も歯を動かす原理も大きく異なりますが、一定の圧力を加えて、歯を人為的に動かすという点は共通しています。ほかの矯正方法と同様にインビザラインで頭痛が起こる理由も、これと大きく関連しています。
食いしばりによる筋肉の過緊張が主な原因
矯正装置が歯を圧迫したり、歯の移動に伴って痛みが生じたりすると、私たちは無意識のうちに歯を食いしばるようになります。その結果、口腔周囲筋が緊張し、周りの組織の血流が悪くなることで筋緊張性の頭痛や肩こりが生じます。インビザライン中の頭痛の多くは、この食いしばりによる筋肉の過緊張が引き起こすものと考えられます。「インビザラインのマウスピースがきつすぎるから」という訳ではありません。
歯の移動による影響
一般的なワイヤー矯正でも、歯の移動に伴う痛みが頭痛を引き起こすことがあります。ワイヤー矯正は1回の調整で歯を0.5~1.0mm程度動かすことから、顎の骨や周囲の組織に与える影響もやや大きくなります。
インビザラインのマウスピースは、歯を動かす距離がマウスピース1枚あたり0.25mm程度にとどまるので、頭痛を誘発するリスクは比較的低いといえますが、その可能性はゼロではありません。
インビザライン中に頭痛がするタイミング
インビザライン中に頭痛がするタイミングとしては、主に以下の5つが挙げられます。
【タイミング1】マウスピースを交換したとき
インビザラインでは、矯正用のマウスピースであるアライナーを1~2週間ごとに交換します。新しいアライナーは、ひとつ前のアライナーとは異なる形をしており、交換後に一定の矯正力がかかるように設計されています。そのため交換のタイミングで歯にかかる圧力が強まることから、食いしばりも起こりやすくなります。新しいアライナーの矯正力は、2~3日経過すると軽減されることから、歯の痛みも和らぎ、食いしばりによる頭痛も改善されていきます。
【タイミング2】硬い食べ物を噛んだとき
インビザラインに限らず矯正治療中は、歯の周りの組織に絶えず炎症反応が起こっていることから、硬い食べ物を噛んだ時に痛みを感じやすくなります。その刺激が頭痛を誘発することがあります。嚙む力は矯正力とは比較にならないほど強いため、硬い食べ物は極力控えるようにしましょう。
【タイミング3】寝起き
夜間に生じる食いしばりや歯ぎしりが引き金となって、インビザライン中の頭痛は、寝起きに起こりやすくなります。睡眠中は食いしばりが長時間続くため、口腔周囲筋の緊張も顕著となります。ですから、朝目覚めたときに頭痛が生じたり、顎のこわばりを感じる場合は、食いしばりによる筋肉の過緊張が原因と考えてほぼ間違いないでしょう。
【タイミング4】ゴムをかけたとき
矯正治療では、いろいろな場面で「ゴムかけ」を行うことがあります。顎間ゴムという輪ゴムを使って、交叉している奥歯を正常な位置関係へと戻したり、上下の歯列の位置を全体的に調整したりする際に用いるもので、インビザラインでも行われます。このゴムかけで生じる矯正力が食いしばりを誘発し、頭痛を生じやすくする可能性があります。
【タイミング5】精神的なストレスがかかっているとき
マウスピースによる違和感や異物感が原因で精神的ストレスが生じている場合は、痛みへの感受性も高まる傾向にあります。このため頭痛の症状が現れやすくなります。
頭痛の予防と対処法
最後に、インビザライン中の頭痛の予防と対処法をご紹介します。
【予防法1】筋肉をマッサージする
顎や首、そして頭や肩などの筋肉を適切な方法でマッサージすることで、筋緊張性頭痛は予防・改善しやすくなります。湯船に浸かって全身の血流を良くすることでも筋肉の緊張をほぐす効果が期待できるでしょう。
【予防法2】硬い食べ物を避ける
インビザライン中はナッツ類やおせんべいなど、極力硬い食べ物を避けるよう心がけましょう。また、何回も噛まないと噛み切れない食べ物も同様に避けてください。
【予防法3】ストレスを解消する
食いしばりや緊張性頭痛の原因となるストレスは、できるだけ受けない・ためないことが大切です。定期的に休憩を取り、たまったストレスは、休日に趣味の時間を作るなどして上手に発散してください。
【対処法1】市販の鎮痛剤を飲む
頭痛いつまでも治らない、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ている、そんなときは市販の鎮痛剤を飲んだうえで主治医へ連絡しましょう。鎮痛剤の内服はあくまで対症療法であり、インビザライン矯正による頭痛を一時的に緩和する効果しか期待できません。また、鎮痛剤の使用は消化器にも大きな負担をかけることになる点を正しく理解し、ご使用いただく必要があります。
【対処法2】主治医に相談する
インビザライン中の頭痛は誰にでも起こり得る症状ではありますが、いつまでも治らず継続する場合は、インビザライン矯正以外の原因も考えられるため、主治医に相談することが大切です。
まとめ
今回は、インビザライン中に頭痛がする理由と対処法について、船橋のタワーサイド歯科室が解説しました。インビザライン中に生じる頭痛の主な原因は、食いしばりによる筋肉の過緊張です。また、歯に矯正力が加わることで食いしばりが誘発され、その影響によっても引き起こされます。筋緊張性頭痛は、筋肉のマッサージを習慣化したり、ストレスを上手に発散したりすることで予防・改善できます。それ以外の理由で頭痛が生じている場合は、主治医と相談しながら対処法を見つけていくことが大切です。
斎藤 院長
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