歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療ANCHORSCREW

歯科矯正用アンカースクリュー

歯科矯正用アンカースクリューとはOVERVIEW

|顎骨に埋め込むチタン製のネジ|

歯科矯正用アンカースクリューとは、顎の骨に埋め込む直径1.3~2.0mm程度のチタン製のネジです。このネジのネジ山部分は顎骨と結合し、先端部は歯茎から見え、歯を移動する際の強力な固定源となります。従来の方法では不可能であった方向へと歯を移動させることが可能となります。

標準的な矯正治療では、奥歯が固定源となり、前歯を後方に下げるなどの移動を行います。つまり前歯と奥歯がお互いを引っ張り合う綱引きのような形となります。その結果、奥歯も手前方向(前方)へと必ず移動を始めます。この動きが治療上不都合な場合、歯科矯正用アンカースクリューを用いることで奥歯の前方移動を防止することができます。

歯科矯正用アンカースクリューが必要な人NECESSARY

次に挙げるような人は、歯科矯正用アンカースクリューの使用が検討されます。

  • 出っ歯(上顎前突)

    CASE1出っ歯(上顎前突)

    上顎前突である出っ歯は、前歯部を全体的に引っ込める必要があります。その際、固定源として歯科矯正用アンカースクリューを活用すれば、奥歯の前方移動を防ぐことができます。

  • 出っ歯(上顎前突)

    CASE2出っ歯(上顎前突)

    上記のCASE1では奥歯の前方移動を防ぐために歯科矯正用アンカースクリューを使用しますが、さらに、積極的に奥歯を奥へ押し込む(後方移動)ために特殊なアンカースクリューを使用することがあります。

  • 受け口(下顎前突)

    CASE3受け口(下顎前突)

    下の前歯を引っ込める必要がある受け口で、歯科矯正用アンカースクリューを活用することがあります。

  • 開咬

    CASE4開咬

    奥歯で噛んだ際、上下の前歯の間にすき間が生じる噛み合わせを「開咬(かいこう)」といいます。開咬の症状が奥歯を歯茎の方向に押し込むことで改善される場合は、歯科矯正用アンカースクリューを用いることがあります。

  • 通院が少なくて済む

    CASE5過蓋咬合

    噛み合わせが深い「過蓋咬合(かがいこうごう)」は、前歯を歯茎の方向に押し込むことで症状が改善されることがあります。こうしたケースで歯科矯正用アンカースクリューを利用することがあります。

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歯科矯正用アンカースクリューのメリット・デメリットMERIT・DEMERIT

歯科矯正用アンカースクリューとは、顎の骨に埋め込む直径1.3~2.0mm程度のチタン製のネジです。このネジのネジ山部分は顎骨と結合し、先端部は歯茎から見え、歯を移動する際の強力な固定源となります。従来の方法では不可能であった方向へと歯を移動させることが可能となります。

|メリット|

  • 治療期間を短縮できる

    歯科矯正用アンカースクリューを用いると、歯の不要な移動を最小限に抑えられます。歯を引っ張る力も強いため、治療期間の短縮につながります。

  • より良い仕上がりが見込める

    顎の骨に根差した強力な固定源が得られると、矯正治療の自由度が高くなります。標準的な装置では動かせない方向への歯の移動も可能となるため、難症例にも対応しやすくなります。そのため歯科矯正用アンカースクリュー効果的に使用することにより、より良い仕上がりが見込めるケースがあります。

  • 抜歯が不要となる場合がある

    歯科矯正用アンカースクリューを用いて奥歯の後方移動が可能となれば、不足しているスペースを作り出すための便宜抜歯を不要にすることができる可能性があります。

|デメリット|

  • アンカースクリューを埋め込むための手術が必要

    歯科矯正用アンカースクリューは、専用の器具で顎の骨に埋め込む必要があります。スクリュー1本あたり3分程度で終わる簡便な処置となりますが、顎骨にネジを埋め込む手術を行う点に不安を感じる方も少なくありません。

  • アンカースクリューが抜け落ちることがある

    歯科矯正用アンカースクリューは、清掃が行き届かなかったり、極端に強い力が加わったり、顎の骨の状態が悪かったりすると、抜け落ちることがあります。そうなると再植立が必要になりますが、生着が悪い場合は通常の矯正法で対応します。

  • アンカースクリューの周りで炎症が起こることがある

    歯科矯正用アンカースクリューの周りは、比較的汚れがたまりやすいです。ケアを怠ると細菌が繁殖して炎症を引き起こします。

  • アンカースクリューの種類によっては違和感が大きい

    矯正用アンカースクリューを埋め込む場所が口蓋の場合、付属装置が複雑となり舌の違和感が大きくなります。

歯科矯正用アンカースクリュー治療の流れFLOW

歯科矯正用アンカースクリューは、以下の流れで植立します。

  • STEP01

    レントゲン撮影

    レントゲン撮影を行って、歯科矯正用アンカースクリューを埋め込む部位の骨の状態を確認します。

  • STEP02

    麻酔処置

    歯科矯正用アンカースクリューを埋め込む部位を消毒し、局所麻酔を施します。

  • STEP03

    アンカースクリューの埋入

    専用の器具を使って、歯科矯正用アンカースクリューを顎の骨に埋め込みます。埋入処置自体は1本につき3分程度で終わります。

  • STEP04

    レントゲン撮影

    治療後にもう一度、レントゲン撮影を行うことがあります。歯科矯正用アンカースクリューが適切に埋入されていることが確認できたら、治療は終了です。

歯科矯正用アンカースクリュー治療のQ&AFAQ

  • Question

    アンカースクリューを付けると治療期間はどう変わりますか?

    Anwer

    強力な固定源が得られるため、治療期間は短縮されます。治療期間がどのくらい短くなるかはケースによって大きく異なりますが、アンカースクリューを用いない方法と比較した場合は、3~6ヵ月程度短縮されることが多いです。

  • Question

    アンカースクリューを付けるとき痛みはありますか?

    Anwer

    痛みはありません。事前に局所麻酔を施すことで、施術部位の感覚が麻痺するからです。ご安心ください。

  • Question

    アンカースクリューが原因で矯正治療中に痛みがでますか?

    Anwer

    適切な方法で埋入されたアンカースクリューは、痛みの原因となることはありません。埋入後のケアが不十分で炎症などが起こった場合は、アンカースクリューの周囲で痛みが生じることがあります。

  • Question

    アンカースクリューは外から目立ちますか?

    Anwer

    アンカースクリューは、外から目立ちにくい場所に埋入するため、口元の審美性を低下させることはありません。

  • Question

    矯正終了後、アンカースクリューはどうなりますか?

    Anwer

    矯正が終わったら、アンカースクリューは速やかに撤去します。撤去の際にもあまり痛みを伴うことはなく、麻酔すら不要なほど負担の少ない処置となります。

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