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抜歯なしでインビザラインできる?「出っ歯」、「前歯4本」、「親知らず」のお悩み別に解説

カテゴリー: マウスピース矯正

こんにちは!船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の杉山です。

マウスピース型矯正装置の代名詞もいえる「インビザライン」は、アライン・テクノロジー社があるアメリカではもちろんのこと、世界中で広く普及するようになりました。その理由は、従来の矯正法とは違ういくつかのメリットがあるからです。

そのメリットとして「抜歯の必要がない」と言われることがあり、この点に注目していらっしゃる方も多いようです。

そこで今回は、「出っ歯」、「前歯4本」、をインビザラインなら抜歯なしで矯正できるのか? そしてインビザラインなら「埋まっている親知らず」を抜かずに矯正できるのか?というお悩みについて、それぞれ分かりやすく解説します。

【お悩み別】インビザラインなら抜歯なしで矯正できる?

インビザラインは抜歯なしで矯正できることが多い治療法です。実際、タワーサイド歯科室では2007年からインビザラインの症例を積み重ねておりますが、その多くで抜歯をしない治療をご提案してきました。

ただ、実際は必ずしも“インビザラインだから抜歯なしで矯正できる”訳ではありません。その点も踏まえた上で、お悩み別に解説していきます。

1. 抜歯なしで「出っ歯」を矯正したい

出っ歯は、抜歯なしでも通常のマウスピース型矯正(インビザライン)で改善できるケースがあります。出っ歯の原因やその状況を踏まえた診断が重要になりますが、前歯が前方に傾いていたり、歯の生えるスペースの不足が比較的軽度である場合には対応が可能です。

インビザラインでスペースを作り出す方法

歯の生えるスペース不足によって出っ歯の症状が現れている場合は、何らかの方法でスペースを作り出さなければなりません。そのためにもっとも効果的な方法が「便宜抜歯(べんぎばっし)」です。

しかし、抜歯をしない場合には、「ディスキング」、「歯列の側方拡大」、「臼歯の後方移動」の3つを組み合わせてスペースを作ります。

① 歯の側面を少しだけ削る「ディスキング」

ディスキングとは、歯の側面を少しずつ削って、全体として適当なスペースを作り出す方法です。「IPR」や「ストリッピング」とも言います。歯を削る量は一か所につき0.3mm程度です。エナメル質の大部分は削った後も残るため、ディスキング後に虫歯のリスクが上昇するようなことはありません。また、削る際も痛くありませんのでご安心ください。

② 歯列の側方拡大

成長期の子供と違って、大人になってからの矯正では、顎の骨自体を横方向へ拡大することができません。そのため大人の矯正で歯列の側方拡大が必要な場合には、歯が埋まっている歯槽骨(しそうこつ)の形を変えることで行います。

マウスピース型矯正装置で適切な矯正力を作用させれば、歯槽骨の形が変わり、歯列が側方に拡大され、不足していた歯の生えるスペースを作り出すことができます。つまり、出っ歯であった前歯が綺麗に並ぶスペースを作り出し、一定量前歯の並びを後方に下げることが可能となるのです。

③ 臼歯の後方移動

抜歯なしでスペースを作り出すには、臼歯の後方移動も方法の一つです。奥歯をさらに奥の方に移動させれば、前歯を並べるスペースに余裕が生まれますよね。
(実はこの臼歯の後方移動は、ワイヤー矯正が苦手な分野です。)

臼歯の後方移動を行うには、親知らずが存在しないことが条件となります。また、1本ずつ奥歯を順送りにするため治療には大変時間がかかります。

2. 抜歯なしで「前歯4本」を矯正したい

前歯4本の矯正をマウスピース型矯正で行うことも可能です。マウスピース型矯正のインビザラインは全顎の矯正のみならず、部分的な矯正にも対応しており、前歯だけの治療に特化したインビザラインGOやインビザラインエクスプレスというシステムがあります。

前歯の気になるところだけ直したいというご要望にもこれらでお応えすることができます。

ただ、この方法で直せるケースはかなり限定されます。

直せないケースとして一番多く目にするのが、〈上下の奥歯をしっかり咬み合わせた時、上顎前歯の真後ろへ下顎前歯が咬みこんでくる〉ケースです。この場合には、前歯の治療に特化したマウスピース矯正では直すことができません。つまり全顎に対応したインビザラインを使用するため費用が高くなり、治療期間も長くなります。

さらに前歯だけではなく、全顎に対応したインビザラインを適応しても、前述した歯を抜かないための方法:「ディスキング」・「歯列の側方拡大」・「臼歯の後方移動」の3つを組み合わせても直すことができず、抜歯矯正が必要なことがあります。

逆に、上顎前歯の真後ろへ下顎前歯が咬みこまず、上下の前歯間に隙間がある場合には、審美性を大きく左右する上顎前歯4本を上顎だけの治療で、抜歯をせずに直せることがあります。歯の並ぶスペースが不足している場合には、ディスキングなどの処置を講じたうえで治療します。

ちなみに、ディスキングは不足しているスペースを確保するだけでなく、左右のバランスを整えることもできるため、正中を合わせるなどの審美性の向上にも寄与します。

※この〈前歯4本を抜歯なしで矯正したい〉というご要望には、実際には多様な内容が含まれています。厳密にいえば、1.の〈抜歯なしで「出っ歯」を矯正したい〉もこの一部に含まれます。

気になるのは前歯のみであることで、治療も比較的簡単に済むのではないかという患者さんの期待。そして前歯の矯正には比較的安価な矯正システムをネット上で見つけることができること。これらの理由で、患者さんの思い描く矯正治療のイメージと、実際の処置に必要となる矯正治療の費用・期間の間に大きなズレが生じがちです。

そのため、治療の前には注意深くカウンセリングを受けていただく必要があります。

3.埋まっている「親知らず」を抜歯しないで矯正したい

顎の骨の中に親知らずが埋まっている場合もインビザラインで矯正することが可能です。十分なスペースが存在していたり、親知らずが矯正治療の邪魔にならなければ、抜歯なしで歯並びを整えられます。

誤解されている方も多いのですが、“親知らずは必ずいつか抜かなければならない”というものではありません。抜かなくても良い親知らずもたくさんあります。矯正治療を行う上でも、「まず親知らずの抜歯が前提」ではありません。

抜歯が必要なケース

ここまで見てきたように、インビザライン矯正でも抜歯が必要となるケースもあります。では、どのようなケースで抜歯が必要になるのでしょうか?

スペースが絶対的に不足している

スペースの不足が5~10mmもあるケースでは、今回ご紹介した方法でスペースを作り出すことは不可能です。適切な治療の成果を得るためには抜歯矯正が必要となります。

骨格的な異常が存在している

顎の骨の大きさや形に異常があり、全体の歯並び・かみ合わせが乱れている場合は、抜歯ありで治療を進めることがあります。

強い要望

「上顎前歯の位置をできるだけ後ろに下げたい」という患者さんのご希望がとてもお強い場合には、抜歯矯正を選択することがあります。

抜歯ありの場合の注意点について

抜歯ありのケースでは、マウスピース型矯正(インビザライン)を最初の段階で適応できず、矯正治療開始から一定期間ワイヤー矯正で進めることがあります。抜歯で生じたスペースへ、お隣の歯を上手く移動させることがインビザラインは不得意だからです。ただ、その際のワイヤー矯正も目立ちにくい方法をご紹介できますので、ご安心ください。

まとめ

このように、インビザラインは抜歯なしで行える矯正の適応範囲が従来の方法に比べて広がっています。出っ歯や前歯4本のみ、あるいは親知らずが埋まっているケースにも対応できますので、関心のある方はお気軽に当院までご相談ください。

船橋市本町のタワーサイド歯科室では、iTero(アイテロ)と呼ばれる口腔内3Dスキャナーを導入しており、従来のシリコーン印象材による不快な歯型取りが不要となっております。

スキャンによって得られたデータをもとに、歯の移動プロセスを専用のソフトでシミュレーションする事ができます。事前に歯の動きを確認してから矯正治療に臨めるのは、これまでになかったメリットとして喜ばれています。

インビザラインの詳しい内容はこちら

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歯科衛生士 杉山

歯科衛生士 杉山

体を動かすことって気持ちいいですよね!私はスノボとゴルフが好きです。そして、、、甘いものも大好き!みなさんの趣味のお話もたくさん聞かせてくださいね!みなさんお一人お一人に合ったお口のお掃除方法や悩みにお応えしてまいります。よろしくお願いします。

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