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子供のマウスピース矯正「インビザライン・ファースト」と「プレオルソ」の違い

カテゴリー: マウスピース矯正

こんにちは!船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の田中です。中学生以降に受ける成人矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つに大きく分けられます。最近は装置が目立ちにくく、痛みも少ないマウスピース矯正の人気が高まっており、大人になってから歯列矯正を始める人も増えています。

そんなマウスピース矯正は、小学生でも受けられることをご存知でしょうか?

子供の歯並びもマウスピース矯正で治せる?

マウスピース矯正は全ての乳歯が生え変わった中学生以降に適応されるイメージが強いかもしれません。しかし、実は乳歯列や混合歯列のお子さんにもマウスピース矯正の選択肢があります。

具体的には「インビザライン・ファースト」と「プレオルソ」と呼ばれる装置です。どちらもマウスピースの形態で、子供の歯並びを治すための装置という点は共通していますが、いろいろな違いが見られます。

インビザライン・ファーストとプレオルソの違い

インビザライン・ファーストとプレオルソには、それぞれ以下のような特徴があります。

インビザライン・ファーストの特徴

適応できる年齢

インビザライン・ファーストを適応できる年齢は概ね6~10歳ですが、適応条件は身体年齢ではなく歯牙年齢に基づきます。具体的には次に挙げる3つの条件をすべて満たさなければなりません。

1.第一大臼歯が4本萌出している
2.切歯のうち少なくとも2歯が2/3以上萌出している
3.少なくとも3/4顎のそれぞれに乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯 (3、4、5)が2歯以上ある
※(2/4顎に萌出した永久歯(3,4,5のいずれか)が2本以上あると適用外)

文章だけ読むと、とても難しく分かりにくい条件のように感じますね。お口の中の歯の状況でまず適否が判断されますので、詳しくは歯科クリニックから案内してもらうのが良いでしょう。

期待できる効果

インビザライン・ファーストに期待できる主な効果は、顎の幅を広げたり、1本単位での歯の位置改善です。成人矯正に用いるインビザラインと同様、出っ歯や乱ぐい歯、受け口など、歯の位置異常を細かく整えることができます。それに加えて、上下の“顎”の成長もある程度コントロールすることが可能です。これは成長期の矯正治療ならではの効果と言えます。

マウスピース(アライナー)の使い方

インビザライン・ファーストでは、透明なポリウレタン製の“アライナー”と呼ばれるマウスピースをお子さんご自身で装着、取り外します。1日の装着時間は20時間以上必要です。お食事と歯磨きの際は取り外せるので、お子さんのご負担は比較的少ない治療装置と言えます。

矯正にかかる期間

インビザライン・ファーストでの矯正期間は、最大1年半となります。矯正期間を過ぎた後もさらに保定を行いながら、経過観察が必要となります。さらにその後、成人矯正(2期治療)に移行する場合もあります。

治療にかかる費用

インビザライン・ファーストは、自由診療(保険適用できない診療)となります。当院では矯正施術料として440,000円(税込)をいただいており、その他、通院ごとに調整・管理料が発生します。通院頻度は治療が軌道に乗ると概ね2ヶ月に1度程度となります。

プレオルソの特徴

そもそもプレオルソとは?

プレオルソは口腔機能や歯列、顎位の改善をする装置です。プレオルソによる小児矯正(1期治療)もマウスピース矯正の範疇に入りますが、プレオルソとインビザライン・ファーストのアライナーとは見た目や機能が大きく異なります。原材料はインビザライン・ファーストと同じポリウレタン製ではあるものの、上下一体の形でやや厚く、柔軟性があります。

また、装置自体は青色です。このような特徴から、スポーツ用マウスガードの見た目に近いと言えるかもしれません。

適応できる年齢

プレオルソを適応できる年齢はインビザライン・ファーストよりもやや幅が広いです。お子さんの発育状況によっても変動しますが、だいたい5~12歳くらいまでが適応範囲です。適応年齢(歯牙年齢)に適応条件の縛りがないという点が、インビザライン・ファーストとの大きな違いです。

期待できる効果

プレオルソに期待できる効果は、・お口周りの筋肉を鍛える ・嚥下や発音における舌の使い方を訓練する ・口呼吸から鼻呼吸への移行を促す ・歯並びを改善する ・顎の成長を促す等です。インビザライン・ファーストと比較すると、かなり幅広い効果を狙った装置です。

特にお子さんの正しい発育に影響を及ぼしかねない「お口ぽかん」(口呼吸)の症状を改善する上で、非常によく用いられます。「口呼吸」と呼ばれる状態は、さまざまな歯列不正・不正咬合へと発展しかねないため、子供のうちにプレオルソで改善あるいは予防することはお子さんにとって大きなメリットとなります。

期待できない効果

幅広い効果を狙ったプレオルソですが、計画的な顎の幅径拡大や、1本単位の細かな歯の位置修正はできません。これらの改善にはプレオルソでの治療後に、さらにインビザライン・ファースト等で矯正治療を継続する必要があります。

マウスピースの使い方

プレオルソもインビザライン・ファースト同様、お子さんご自身で着脱していただく装置です。就寝前1時間と就寝時に装着します。学校には着けて行かないため、日常生活への影響は少なく済みます。日中の装置装着が不要な点が、インビザライン・ファーストとの大きな違いの一つです。

矯正にかかる期間

プレオルソによる子供のマウスピース矯正では、12~24ヶ月程度の治療を行います。通院頻度は4ヶ月に1度程度です。

治療にかかる費用

当院では、プレオルソによるマウスピース矯正を年間77,000円(税込)で承っております。通院は調整ご相談含めて年に4~5回。4ヶ月に1度の定期的な通院の際は、装置ご使用の効果を確認するためにお口やお顔のお写真を撮影、記録をします。

市販のマウスピースでは適切に治せません

子供の歯並びの治療をできる限り安く、手軽に行いたいと考えている方は、市販のマウスピースも選択肢のひとつに入っているかもしれません。しかし適切な診断なしにご自宅で処置をすることは、思ってもいない副作用を引き起こしかねません。悪影響を未然に防ぐために、気になる点がありましたら矯正医院にてのご相談をお願いいたします。

まとめ

小学生の歯並びの治療にも、インビザライン・ファーストやプレオルソといった装置を使ってマウスピース矯正を行うことができます。矯正法にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、その両方をしっかり理解した上で治療を選択するようにしましょう。

当院では子供さんのマウスピース矯正についても、開始時期や適切な器具等、ご不安な点につきまして詳しくご説明いたします。お気軽にご相談においでください。

インビザラインの詳しい内容はこちら

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歯科衛生士 田中

歯科衛生士 田中

身体を動かす事、美味しい物を食べる事が好きです!元気に毎日を過ごす為には、お口の環境が非常に重要です。皆様の健康を守るよう努めて参ります。よろしくお願いします。

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