矯正歯科医がこっそり教える矯正歯科選びで後悔しない6つのポイント
こんにちは。船橋市のタワーサイド歯科室、院長の斎藤です。顎変形症といった特殊な不正咬合については矯正専門医に治療依頼するとしても、大部分の方のお悩みとなる一般的な不正咬合の治療はどの歯科医師も行えるべき、少なくとも的確に診断・説明できるだけの矯正知識を持つべきとタワーサイド歯科室では考えています。
しかし矯正歯科は、口腔外科などと共に、歯科の中でも卒後研修に重きが置かれる分野であり、その実践研修は卒業後に矯正科に籍を置いた歯科医師だけが受けることになります。つまり、どの歯科医師でも同じように矯正治療が行える訳ではありません。
そのため矯正を始める際の歯科医院選びは慎重になる必要があります。今回はそんな矯正歯科選びで後悔しないためのポイントを6つご紹介します。
目次
矯正歯科選びで後悔しない6つのポイント(マウスピース矯正にフォーカスして)
POINT1 複数の医院に相談した上で相性の良い医院を選ぶ
矯正治療を行っている歯科医院は、専門⇔総合、マウスピースのみ⇔様々な矯正法、と言った切り口で分類すると、それぞれの特徴が出てきます。種類の違う歯科医院で術前相談を受けて、納得できる医院を見つけて下さい。
矯正認定医と総合診療医
矯正認定医は、各矯正歯科学会が認定するもので国家資格ではありませんが、各学会から認定を得ている歯科医師の矯正技術は、一定の基準をクリアしていると言えます。矯正認定医は矯正専門医院を開院したり、通常の歯科医院で矯正歯科医として勤務したりしています。
また、現在矯正歯科学会に所属していないなどの理由で 矯正認定医ではない歯科医の中にも、高い矯正技術をお持ちの先生が一定数おいでになります。
一方、医療の分野では「総合診療」という分野が、専門医の育成と共に重要視されています。「幅広い視野で患者さんを診る」ことは今後もますます重要となってくるでしょう。
歯科医療でも、矯正治療だけを専門に行っている歯科医師と、矯正治療“も”行っている歯科医師が実際にいます。タワーサイド歯科室では、患者さんのご健康をお口の中からお守りするという観点から総合診療歯科医が必要と考えています。
マウスピース矯正の注意点について
マウスピース矯正は、検査から治療計画の作成、マウスピースの製作に至るまで、その多くのプロセスをコンピューター上で行えます。高度にシステム化された矯正法だけに、歯科医師にとって導入するための技術的敷居が低くなっているのも事実と言えます。
昨今、マウスピース矯正だけに対応した歯科医院が増えているのもこのような背景があります。もちろん、臨床経験豊富な歯科医師がマウスピース矯正を専門に行っているケースもあります。但し、マウスピース矯正は矯正治療に慣れていない歯科医師でも導入しやすいシステムであるということを事前に知っておくことは悪いことではありません。
矯正専門医院の注意点について
矯正治療を専門に行っている歯科医院は、矯正の技術や知識に関して信頼性が高いことはほぼ間違いありません。ただ多くの矯正専門医院では虫歯治療や歯周病治療、さらに矯正治療に伴う抜歯処置にも対応していないことが珍しくありません。矯正中は装置による影響で虫歯・歯周病のリスクが高まることから、それらの治療にも対応できる歯科医院の方が安心だという考え方もあります。
ひとつの医院に相談して即決するのはあまりお勧めできません
同じ歯並び・噛み合わせでも、歯科医師によって治療方針が異なりますし、対応している矯正法にも違いがあります。専門医と総合診療医で治療方針が異なることもあります。子供さんの矯正治療に関しても、歯科医院・歯科医師によって治療開始時期や治療方針が全く異なるケースが良くあります。
その点も踏まえて、2~3医院の矯正相談を受けた上で、ご自身が納得できるところを選ぶことが大切です。矯正治療を担当する歯科医師やメンテナンスを担当する歯科衛生士との相性も重要ですので、カウンセリングの際には担当者の人柄などにも注目してみましょう。
POINT2 料金設定が適正である
矯正治療の料金体系は、多くの歯科医院でホームページ上に掲載されています。その額が極端に安かったり、高かったりする場合は注意が必要です。
矯正は治療期間が長く、特別な装置を使用する治療です。歯科医師にも高い技術や知識が求められることから、全顎矯正であれば、800,000~1,000,000円程度の費用がかかります。そこから大きく逸脱するような料金設定であればカウンセリングの際にその理由をしっかり確認しましょう。
POINT3 矯正の診断に使用するセファログラムの撮影ができる
矯正治療開始前は、「セファログラム」と呼ばれる矯正専用のレントゲン撮影を行います。
歯科の一般的なレントゲンは特定の歯や上下の歯列全体を写し出すものですが、矯正の術前検査では頭部まで含めた広い範囲の画像が得られるセファログラムを撮影します。そんなセファログラムの撮影設備がある歯科医院は、矯正治療に前向きな医院と言えます。尚、最新の歯科用CT装置でセファログラムも撮影できることがあります。
POINT4 いろいろな矯正法に対応している
矯正歯科医院を選ぶ際、どのような矯正法に対応しているかもしっかり確認することが大切です。大人の矯正治療であれば、ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)とマウスピース型矯正装置、子供の矯正治療であれば床矯正やプレオルソなど、選択肢が多様であるほど、最善といえる治療法を選びやすくなります。
何より矯正法の選択肢の多さは患者層の幅広さを反映しており、いろいろな治療法を行える歯科医師が在籍していることは安心材料と言えます。
矯正治療は歯科医師の免許があれば誰でも行えますが、その技量には前述した通り大きな違いがあります。歯科医師にとって導入が手軽なマウスピース矯正だけを行っている歯科医師と、長年矯正治療の診療実績を積み重ね、マウスピース矯正“にも”対応する歯科医師とでは、知識や技術に差があるのはご理解しやすいと思います。
POINT5 説明が丁寧でわかりやすい
虫歯や歯周病といった一般的な歯科の治療以上に、矯正となるとさらに耳慣れない専門用語が沢山あります。これら専門的な用語をできるだけ避けて、誰にでもわかる言葉で丁寧に説明してくれる歯科医院が望ましいでしょう。
もし分からない点があったら気軽に質問できて、その質問に真摯に答えてくれる歯科医院を選ぶようにしてください。今後の矯正治療期間中の疑問にも、その都度丁寧に対応してくれることにつながります。
POINT6 通院しやすい立地にある
矯正歯科治療は、数回の通院で終わるものではないため、通いやすさも重要となります。標準的なワイヤー矯正は1ヶ月に1回程度、インビザラインに代表されるマウスピース矯正は2ヶ月に1回程度の通院となります。
ですから、できれば1ヶ月に1回の通院が苦痛とはならない程度の立地の歯科医院が理想です。ただ、信頼できる先生の元に遠方から通われるケースはもちろん沢山耳にします。
まとめ
今回は、矯正歯科選びで後悔しないための6つのポイントをご紹介しました。矯正治療の相談前には、Webサイトなどで予備知識を入手しておくことをお勧めします。そして治療方法も含め、治療のご希望をイメージしておくと良いでしょう。ご自身にとって最善といえる矯正歯科を見つけて、理想の歯並びとご健康を手に入れてください。
斎藤 院長
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