インビザラインが向いている人・向いてない人の見分け方
こんにちは。船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の杉山です。インビザラインは、透明なマウスピースを使った矯正装置です。「装置が目立たない」「ご自身で着脱可能」「痛みや違和感が生じにくい」「通院頻度が低い」など沢山のメリットがあるため、ワイヤー矯正ではなく最初からインビザラインを希望される患者さんが増えてきています。
ただ、インビザラインを使って治療するのに「向いている人」と「向いていない人」がいます。ワイヤー矯正とそもそも歯の移動の原理が違うため、ワイヤー矯正にはできないことをインビザラインでは行うことができたり、逆にインビザラインよりワイヤー矯正の方が適している歯の動きもあります。さらに、外せるという装置の特性上、患者さんが十分な管理を行えるかという要素も向き不向きにかかわります。
今回はインビザラインが向いている人・向いていない人の見分け方を船橋のタワーサイド歯科室がわかりやすく解説しましょう。
目次
インビザラインの特徴
マウスピース矯正の代名詞!?
インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発・提供しているマウスピース型矯正装置で、100ヶ国以上、1,220万人(2022年3月現在)を超える人が利用しています。世の中には下図のように様々な矯正システムがありますが、インビザラインはその中で最も普及しているマウスピース矯正装置と言っても過言ではありません。
透明なマウスピースを使う
インビザラインによる矯正では、「アライナー」と呼ばれる透明なポリウレタン製のマウスピースを装着します。厚さは0.5mm程度で、歯の部分しか覆わないため装着感は良好です。1日20~22時間程度のアライナー装着が必須となっており、着脱は患者さんご自身で行っていただきます。食事や歯磨きの時はアライナーを取り外し、その都度洗浄します。アライナーは1~2週間ごとに新しいものへ交換し、抜歯など特別な処置がなければ2ヵ月に1回くらいの頻度で通院していただきます。
インビザラインが向いている人
インビザラインが向いている人は、以下の通りです。
抜歯をしないで出っ歯を治したい人
歯列矯正で抜歯を行うかどうかは、大きな分かれ道となります。効果的に前歯の位置を後方へ下げたい場合には、前から4番目の歯(=第一小臼歯)を上下左右各1本ずつ、合計4本抜いて矯正を行う事があります。
しかし、歯を抜かずに前歯を下げるためには、奥歯から前歯までの大変細かな位置の調整を必要とし、場合によっては最後臼歯をさらに奥へ押し込むことが必要となります。最後臼歯を奥へ押し込むことはワイヤー矯正ではなかなか難しく、インビザラインで行うのが望ましい治療内容と言えます。
また、インビザラインでは治療開始前に、治療後の歯並びをシミュレーションで確認することができます。吟味して作り上げたシミュレーションにより近い仕上がりにするためには、ワイヤー矯正よりもインビザラインでの治療が適していると言えます。
歯並びの乱れが少ない人
歯の根(歯根)の方向が大きくずれている場合には、インビザラインでは歯根の方向を改善しきれないことがあります。また、見えている歯の位置が本来並ぶ位置から大きくずれている場合、アライナーの着脱に支障が生じ、その歯の位置を治せないことがあります。
しかし実際は、カウンセリングにいらっしゃる7~8割くらいの方はインビザラインで問題なく治療が可能で、治療期間もワイヤー矯正と変わらないと言えます。ワイヤー矯正を一部併用することで、インビザラインの適用範囲を広げることも可能です。
マウスピースを適切に管理できる人
インビザラインのマウスピースは、自己管理が必要となります。以下の3点を実践できる場合は、インビザラインに向いている人と言えます。
マウスピースを毎日20~22時間装着できる
インビザラインは着脱式のマウスピースを使用するため、「いつでも好きな時に外せる」と誤解されている方もいらっしゃいます。実際は1日20~22時間装着しなければならず、マウスピースを外していられるのは食事や歯磨きの時間と、プラスα程度となります。そうしたルールを守れるのは、インビザラインに向いている人といえます。
マウスピースをスケジュール通りに交換する
マウスピースの交換時期は、歯並びや歯の移動速度によって変わります。交換する時期を間違えたり、交換を怠ったりすると歯が適切に移動しないため要注意です。マウスピースの交換を歯科医師の指示に従ってきちんと行える人はインビザラインに向いている人です。
マウスピースのお手入れを徹底できる
インビザラインのマウスピースは、早ければ1週間程度で新しいものに交換するため、“使い捨て”というイメージをお持ちの方も少なくないようです。例えて言うと、使い捨てコンタクトレンズの2weeksに近い感覚ですが、日々のお手入れはマウスピースの方が少し大変かもしれません。
食事や歯磨きのためにマウスピースを外した際には、必ず洗浄する必要があります。マウスピース専用の洗浄剤を使用することで、汚れの除去効果はさらに高まります。そうした小まめなケアが苦にならない人はインビザラインに向いていると言えます。
インビザラインが向いてない人
ここまで、インビザラインに向いている人について解説してきましたが、インビザラインが向いていない人についても気になりますよね。基本的には、インビザラインが向いている人の裏返しとなります。特にマウスピースを正しく使用・管理できない、つまり、マウスピースの装着や交換、日々のケアを正しく行えない場合は、インビザラインに向いていない人と言えます。
もちろんこれは、治療を始めてみなければ実際のところは分かりませんが、そもそも固定式の装置の方が良いと感じている場合は、無理にインビザラインを選択する必要はありません。カウンセリングの際に詳しくご相談されると良いでしょう。
抜歯が必要で歯の移動距離が多い場合
先述の通り、歯の根(歯根)の方向が大きくずれている場合にはインビザラインでは歯根の方向を改善しきれないことがあります。また、見えている歯の位置が本来並ぶ位置から大きくずれている場合、アライナーの着脱に支障が生じ、その歯の位置を治せないことがあります。さらに、抜歯後の歯の移動距離が多いケースでは、インビザラインではなく、ワイヤー矯正の方が向いている場合があります。
骨格的な問題で歯並びが悪くなっている場合
顎の骨が長過ぎる、もしくは短過ぎるなど、骨格的な異常が原因で出っ歯や受け口になっているケースは、インビザラインに向いていない人と言えます。顎の骨の問題は、手術を伴う外科矯正でなければ改善することができないからです。
まとめ
今回は、インビザラインが向いている人と向いていない人の見分け方について、船橋のタワーサイド歯科室が解説しました。ご自身がインビザラインでの治療に向いているかどうかや、治療の手順、費用などについて詳しく知りたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。ちなみに、タワーサイド歯科室では「LINE矯正相談」も行っておりますのでご利用をお待ちしております。
歯科衛生士 杉山
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