矯正治療する前に知っておきたい矯正治療方法の種類と特徴
こんにちは。船橋市のタワーサイド歯科室、院長の齋藤です。矯正治療というと、歯の表側にブラケットをつけるワイヤー矯正が有名ですが、それ以外にもいくつかの種類があります。矯正は期間が長く、比較的高額な費用がかかる治療なので、ご自分に合った方法を選びたいですね。
そこで今回は矯正治療方法それぞれの特徴を比較しながら、お悩み別のオススメ矯正方法を船橋のタワーサイド歯科室が分かりやすく解説します。
目次
矯正治療方法の種類と特徴
歯並びの乱れを細かく整える矯正治療には、以下の3つの種類があります。それぞれの矯正治療方法を比較しながら見ていきましょう。
【種類1】マウスピース矯正
透明な樹脂製のマウスピースを使って、歯並びをきれいにする矯正治療です。近年は特に人気が高く、希望される患者さんの数も増えています。
マウスピース矯正の特徴
・装置が目立たず、食事や歯磨きを普段通りに行える
透明なマウスピースは一見すると何も付けていないように見えます。ですから、日々たくさんの人と接する機会がある接客業の人でも抵抗なく矯正治療を行えます。また、マウスピース矯正の装置は着脱式なので、食事や歯磨きの際には取り外せます。大切な人と会う時や重要なプレゼンの時なども一時的に装置を取り外せることが大きなメリットです。
・矯正治療に伴う痛みや不快感、トラブルが少ない
他の矯正治療と比較すると、マウスピース矯正は痛みや装置のトラブルが少ない方法といえます。なぜならマウスピース矯正は段階的に歯を着実に動かす方法で、装置も口腔粘膜を傷付けにくい形態をしているからです。マウスピースの構造はとてもシンプルで、ワイヤー矯正のような細かな調整や修理などの必要がありません。装置のトラブルが少ないことは通院の回数を減らせることにつながります。
ちなみに、タワーサイド歯科室で採用しているインビザラインでは、経過を確認し必要な処置を行うために、一般的には2ヵ月に1回くらいの通院頻度で矯正治療を進めていきます。この点は1ヵ月に1回の通院が必要となるワイヤー矯正と比較した時、インビザラインのメリットの一つとなります。
・口腔内スキャナーやシミュレーションを利用できる
これはインビザラインに限定した特徴となります。マウスピース矯正のインビザラインでは、iTero(アイテロ)という口腔内スキャナーを使うことで、精密な歯型取りが行えます。そのデータを使い、クリンチェックという矯正治療のデジタルシミュレーションを実施できるため、矯正治療開始前に治療後のイメージを確認することが可能です。
【種類2】表側矯正(マルチブラケット装置)
ブラケットとワイヤーを歯列の表側に固定する矯正治療です。数ある矯正の種類の中で最もポピュラーなもので、皆さんもよく目にする方法だと思います。
表側矯正の特徴
・長い歴史がある
表側矯正は100年以上前から普及している矯正治療です。これまで数えきれないほどの人が表側矯正で歯並びを治してきたことを踏まえると、その効果に疑いを持つ人はいないでしょう。
・ほとんどの歯並びに適応できる
表側矯正は比較的自由度の高い矯正治療です。ブラケットを固定する位置やワイヤーの屈曲度を調整したり、パラタルアーチやアンカースクリューなどを併用したりすることで、歯を三次元的に大きく動かせます。表側矯正の適応範囲が広いといわれるのはそのためです。
【種類3】裏側矯正(リンガルブラケット装置)
ブラケットとワイヤーを歯列の裏側に固定する矯正治療です。いわゆるワイヤー矯正の一種ではありますが、装置の見た目や使用するパーツは表側矯正と異なります。
装置が“ほぼ見えない”矯正治療
マウスピース矯正は装置が“目立たない”矯正法ですが、裏側矯正の場合は装置が“ほぼ見えない”矯正法と表現できます。大きなお口を開けることがなければ、ワイヤーやブラケットの存在に気付かれることはまずありません。
適応範囲が広いが痛みは強い
裏側矯正は、特殊なブラケットを使う矯正治療ですが、基本的には表側矯正とほぼ同じ範囲の症例に適応できます。一方で舌側にある装置により舌に傷が生じてしまうため、治療期間中のお痛みが強い矯正方法と言えます。
お悩み別のオススメ矯正治療
続いては、お悩みに応じたオススメの矯正治療の種類をご紹介します。
【悩み1】矯正中は虫歯になりたくない
矯正中に虫歯が発生すると、歯並びの治療が中断してしまいます。むし歯治療のために一般歯科へも通うことにもなるため、患者さんの心身、お時間および経済的ご負担はより一層増えることになります。矯正中の虫歯はできるだけ予防したいという方には、マウスピース矯正がオススメです。マウスピース矯正では食事と歯磨きの時に装置を外せるため、虫歯になるリスクを大きく下げられます。
【悩み2】矯正による制限を少なくしたい
矯正方法の種類による違いはあるものの、矯正中はある程度の制限・制約がかかります。それは矯正をしなければ当たり前に享受できる快適さ犠牲にすることになるため、矯正治療を諦める一因にもなっています。そんな矯正による制限を少なくしたい人には、マウスピース矯正がオススメです。マウスピース矯正は、患者さん自身が着脱できる装置を使うことから、食事や歯磨き以外の場面でも取り外せます。薄く凹凸の少ないマウスピースは、発音や滑舌に影響を与えることも少ないでしょう。
【悩み3】歯並びのガタガタが大きい
歯の傾きが大きかったり、隣り合う歯同士の高さが大きく違うケースなどには、表側矯正が向いています。表側矯正では歯を抜かなければならないケースでも、時間をかけて歯をきれいに並べることができます。噛み合わせの微調整もしやすいことでしょう。
【悩み4】目立つ装置を使いたくない
矯正装置の見た目が気になる人には、装置が“ほぼ見えない”裏側矯正がオススメです。装置が“目立たない”ということでご納得できる場合は、透明なマウスピースを使うインビザラインもおススメできます。
【悩み5】矯正治療に時間を取られたくない
矯正治療は数年に及ぶのが一般的なので、それに関わる余計な時間を取られたくないという人も沢山いらっしゃることでしょう。例えば、ワイヤー矯正の場合は、通院頻度が多い、食事や歯磨きに時間がかかる、装置のトラブルでイレギュラーな通院が必要になるなど、比較的多くの時間を取られます。
一方、マウスピース矯正の場合は、通院頻度がワイヤー矯正の半分であるだけでなく、食事や歯磨きは普段通りに行えて、装置のトラブルも少ないため、矯正治療によって余分に取られる時間も自ずと少なくなります。
まとめ
今回は、矯正治療を検討中の方に向けて、矯正治療方法とそれぞれの特徴について、船橋のタワーサイド歯科室が解説しました。歯列矯正にはマウスピース矯正、表側矯正、裏側矯正の3種類があって、比較するポイントによってメリット・デメリットも大きく変わることから、まずは自分がどんな方法を求めているのかを知ることが大切です。その上で自分にとって最善といえる方法を担当歯科医と相談しながら見つけてください。そして矯正治療の一歩を踏み出していきましょう。
P.S.
矯正治療方法による違いをより詳しく知りたい方は、拙書『改訂版 咬み合わせが気になったら読む本 ~人に知られずにできる歯列矯正~』の第8章 各矯正装置の特性を比較する
をご覧くださいませ。
斎藤 院長
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