マウスピース矯正中に喫煙できる?電子タバコやアイコスなら大丈夫?

こんにちは!船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の杉山です。マウスピース矯正なら、長年のコンプレックスになっている歯並びを快適に改善することが可能です。しかし喫煙習慣がある場合、そもそも治療が受けられるのか気になりますよね。
マウスピース矯正は着脱可能な装置なので喫煙しても問題がないようにも思えますし、電子タバコやIQOS(アイコス)であれば、よりいっそう弊害が少ないようにも感じます。今回はそんな喫煙習慣のある方のマウスピース矯正について詳しく解説します。
目次
マウスピースしたまま喫煙できる?
マウスピース矯正における喫煙習慣を考える際、2つに分けて考える必要があります。それは「喫煙習慣があってもマウスピース矯正を始められるかどうか」と「マウスピースを装着した状態で喫煙してもよいかどうか」の2つです。
喫煙習慣があってもマウスピース矯正は可能
喫煙習慣がある方でもマウスピース矯正を始めることは可能です。マウスピース矯正というのは、歯列全体を透明な樹脂製のマウスピースで覆う矯正法であり、従来のワイヤー矯正とは大きく異なります。
ただし、矯正用のマウスピースをしたまま喫煙することはおすすめできません。なぜなら、マウスピースをしたままタバコを吸うと、装置が着色してしまうからです。喫煙の頻度によってはマウスピースが劣化して、矯正にも悪影響が及ぶことも考えられます。
喫煙の際にはマウスピースを取り外す
マウスピース矯正を始めた後も喫煙される場合は、その都度マウスピースを取り外すようにしてください。マウスピースは2週間に1回くらいの頻度で交換する装置ではありますが、タバコによる変色や劣化はできるだけ避けた方が望ましいです。
もっともご健康を考えるのであれば、マウスピース矯正を始めるのを機に思い切って禁煙した方が良いといえます。
マウスピース矯正中に喫煙するリスク&デメリット
マウスピース矯正中も喫煙習慣が継続していると、次に挙げるようなリスクやデメリットを伴います。
歯の動きが遅くなる
矯正中の喫煙習慣がもたらす最も大きな悪影響は「歯の移動が遅くなる」ことです。喫煙されている方ならご存知かもしれませんが、タバコの煙には歯茎の血行を悪くする作用があります。それはタバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素が原因であり、喫煙している以上、避けられないデメリットといえます。
【歯の動きが遅くなるのはなぜ?】
矯正による歯の移動では、歯を支える骨の吸収と再生を活発に行っていく必要があります。歯が進む方向の骨を溶かしてスペースを作り、もともと歯があった場所には新しい骨を作る。そのサイクルを正常に進ませるためには、酸素や栄養素、いろいろな細胞を供給する血液が必要となります。喫煙によって血行が悪くなると、それらの供給が悪くなって、歯の移動も遅くなってしまうのです。
マウスピースの変色は避けられない?
喫煙するたびにマウスピースを取り外したとしても、喫煙後そのままマウスピースを装着すれば装置の変色は避けられません。喫煙後はタバコのヤニによってお口の中が汚れてしまっているからです。タバコを1本吸うたびに、歯磨きなどの口腔ケアを実施すればそのリスクは取り除けますが、現実的ではありません。
喫煙によるお口の中への悪影響について
喫煙習慣は、矯正治療だけではなく、お口全体の健康にも悪影響を及ぼします。
口内細菌が増える
タバコの煙によってお口の中が乾燥すると、口内細菌の活動が活発化します。その結果、口臭が強くなる・虫歯や歯周病リスクが高くなる・口内炎ができやすくなるなどの悪影響が生じます。
とくに歯周病を発症した場合は、歯を支えている歯茎や歯槽骨(しそうこつ)の破壊を伴うため、矯正治療に直接的な悪影響を及ぼします。さらには、歯周病によって糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの全身疾患が誘発されるリスクも考えておく必要があります。
口腔がんのリスクが高まる
タバコの煙には発がん性物質が含まれており、喫煙によって口腔がんのリスクが上昇することは明らかです。一見すると口内炎に見えても、実は歯肉がんや舌がんであったというケースもありますので、タバコの吸い過ぎには十分注意する必要があります。
電子タバコや加熱式タバコなら大丈夫?
ここまでは、最も一般的な紙巻タバコ(シガレット)による喫煙習慣について解説してきました。次に最近愛用者が急速に増えている電子タバコや加熱式タバコであれば、マウスピース矯正への影響が抑えられるのか気になりますよね。
電子タバコによる悪影響は極めて少ないが、注意点が。
電子タバコは、「リキッド」と呼ばれる液体を気化させてその蒸気の味や香りを楽しむ嗜好品です。タバコという名前がついてはいるものの、煙は生じません。また、日本で販売許可されているのはニコチンを含まないリキッドのみですから、歯茎の血流を悪くすることが考えにくく、マウスピース矯正への悪影響は少ないといえます。
ですから、マウスピース矯正を始めたいけれど、どうしても喫煙がやめられないという方は、電子タバコに移行するのも良いでしょう。ただし、海外より購入するリキッドにはニコチンが含まれているものがあるため、注意を払う必要があります。
加熱式タバコは注意が必要
IQOS(アイコス)に代表される加熱式タバコは、電子タバコとは少し異なります。なぜなら、アイコスはタバコの葉を使用しており、蒸気にニコチンが含まれているからです。紙巻タバコのような煙は発生しないものの、蒸気に含まれたニコチンが歯茎の血流を悪くすることで歯の移動を妨げます。また、加熱式タバコには、歯やマウスピースを着色させるタールも含まれている点にも注意が必要です。
まとめ
今回は、マウスピース矯正中の喫煙について解説しました。一言で喫煙といっても、紙巻タバコ・電子タバコ・加熱式タバコで矯正に与える影響が大きく異なります。マウスピース矯正への影響を減らすのであれば、禁煙、電子タバコ、加熱式タバコ、紙巻タバコの順番になります。最近人気のIQOS(アイコス)もタバコの葉を使用している以上、矯正治療への悪影響が避けられませんので、その点は十分ご注意ください。
そんなタバコと矯正治療の関係についてさらに詳しく知りたい方は、いつでもタワーサイド歯科室までご相談ください。

歯科衛生士 杉山

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