インビザライン治療後に装着する保定装置「ビベラリテーナー」とは?
こんにちは!船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の加藤です。歯列矯正で歯を移動した後には「保定(ほてい)」と呼ばれる処置が必要になります。人為的に動かした歯には、元の位置に戻ろうとする力が働くため、リテーナー(保定装置)を使って後戻りを防止しなければならないのです。
今回はそんなリテーナーの中でもインビザライン社が提供する「ビベラリテーナー」について、船橋市のタワーサイド歯科室が分かりやすく解説します。
目次
ビベラリテーナーとは
ビベラリテーナーとは、透明なマウスピース型の保定装置です。インビザライン社が提供しており、見た目はほぼインビザラインのアライナーと同じです。厳密にはいくつかの点で異なりますが、着け心地や見た目の美しさはインビザラインにそっくりです。歯を動かす「動的治療」をインビザラインで行った人は、マウスピース型の保定装置を使用することでスムーズに保定へと移行できます。
インビザライン以外の人も選択可能
実はこの快適な保定装置は、インビザラインだけではなく、その他の矯正システムで歯を動かしたケースにも使えます。つまり、ワイヤー矯正で治療を受けた方も、マウスピース型のビベラリテーナーを選択して、快適な保定生活を送ることができます。ただし、ビベラリテーナーはすべてのケースに適応できるわけではありませんので、その適否については主治医とよくご相談ください。
交換時期について
ビベラリテーナーは、基本的に上下1枚のセット、あるいは上下3枚のセットで提供されます。最初の3ヶ月はインビザライン同様、1日20時間ご使用いただき、4ヶ月目からは順次使用時間を減らし、最終的には就寝時のみのご使用となります。汚れや損傷が気になる場合は、1年に1回くらいの頻度で交換すると良いでしょう。ビベラリテーナーの交換頻度は個人差が大きく、歯ぎしりの有無等によって大きく変動するため、具体的な時期については主治医の指示に従ってください。
ビベラリテーナーの特徴
ビベラリテーナーには、次に挙げるような特徴があります。
特徴1:透明で目立ちにくい
保定装置には、ワイヤーと樹脂で構成された器具や、歯の裏側に直接ワイヤーを固定するもの等があります。いずれも見た目が気になったり、むし歯の原因になったりすることがあります。ビベラリテーナーはマウスピース型の保定装置で、器具が目立ちにくく、インビザラインのアライナーと同じような見た目で、装置の存在に気付かれることがほとんどありません。
特徴2:丈夫で壊れにくい
マウスピース型矯正装置は、比較的壊れやすく、作り直しを経験された方もいらっしゃることでしょう。ビベラリテーナーも見た目は治療用のマウスピース(アライナー)とそっくりなのですが、実は厚みが30%くらい増えています。歯を動かすためではなく、歯を固定するための装置なのでアライナーよりも丈夫に作られているのです。十分な厚みが確保されたビベラリテーナーは、亀裂や破損、変形のリスクが少なく、長期間の装着にも耐えられるように作られています。
特徴3:装着感が良好
ビベラリテーナーは、歯茎に当たらないようカスタマイズされて製作されます。歯の部分だけを覆うため、装着時の不快症状が大変少なく済みます。保定を目的とした装置なので、歯への圧迫感も少ないです。
特徴4:お手入れしやすい
ビベラリテーナーは、着脱式の装置であること、デザインがシンプルであることから、他の保定装置よりお手入れが容易です。装置を清潔に保てることは患者さんにとって極めて大きなメリットとなります。
ビベラリテーナーの疑問に答えます
価格はいくらですか?
ビベラリテーナーの価格は、上下3枚セット40,000~60,000円で提供されていることが多いです。当然ですがビベラリテーナーも自費診療となるため、歯科医院によって価格が異なります。矯正治療の総額にビベラリテーナーの費用が含まれている場合は、追加料金は発生しません。保定処置として別途、費用を支払う場合もそれぞれの医院によって上記価格帯よりも安かったり、高かったりすることがあります。
1日どれくらい装着する必要がありますか?
ビベラリテーナーは、保定開始からの期間によって装着する時間が変わります。保定を始めてから最低3ヶ月は、インビザラインのアライナーと同様、1日20時間以上の装着が必要です。保定開始直後の歯は後戻りが早く、また保定装置は装着時間が長いほど、その効果が大きくなるからです。保定を始めてからしばらく経過して歯の状態が安定したら、装着時間を徐々に減らしていきます。装着時間を減らすスケジュールや方法については、主治医と相談しながら決めていくと良いでしょう。
どれくらいの期間、装着する必要がありますか?
保定装置に関しては、「いつまで装着する必要がありますか?」という質問を受ける機会が多いです。ようやく保定まで行き着いたのだから、いつまでも装置を着けていたくないと感じるお気持ちもよく理解できます。
しかしリテーナーは、歯を動かすのにかかった期間によらず、最低3年間の使用が必要になります。
その後もリテーナーの装着を継続することで、後戻りのリスクをさらに下げることが可能となります。なぜならば、歯は一生を通じて少しずつ動くものだからです。頑張って手に入れた美しい歯並びを一生維持するためにも、できるだけ長く保定を続けることをお勧めします。
同時にホワイトニングできますか?
ビベラリテーナーは、インビザラインのアライナーのようにホワイトニングのマウストレーとしても活用できます。保定期間中もホームホワイトニングを問題なく行えます。ビベラリテーナーは着脱式の装置なので、オフィスホワイトニングも受けられます。
失くしたり、破損したりした場合どうなりますか?
ビベラリテーナーを失くしたり、壊したりした場合は、装置の作り直しとなります。ビベラリテーナーは、デジタルデータを元に作り直しを行うことから、原則歯型取りなどを改めて実施する必要はありません。ただし、歯が後戻りしている場合には、改めて型取り、あるいは再治療が必要となります。また、再製作のための費用は追加で支払うことになります。矯正治療のプランによっては作り直しの費用がかからない場合もありますので、その点は主治医にご確認ください。
まとめ
今回は、インビザライン治療後に装着する保定装置「ビベラリテーナー」について、船橋市のタワーサイド歯科室が解説しました。ビベラリテーナーはインビザラインのアライナーにそっくりな見た目なので、保定期間を快適に過ごせます。耐久性が高く、お手入れしやすい点もビベラリテーナーの特長といえるでしょう。インビザライン以外の症例にも適応可能なので、ビベラリテーナーに関心のある方はいつでもお気軽に当院までご相談ください。
※当院では、矯正施術料の中に治療対象顎のマウスピース型リテーナー1個の費用を含んでおります。但し「ビベラリテーナ」とは別種類となり、ビベラリテーナー製作をご希望の場合には別途費用がかかります。
歯科衛生士 加藤
最新記事 by 歯科衛生士 加藤 (全て見る)
- インビザライン治療後に装着する保定装置「ビベラリテーナー」とは? - 2023/8/3
- インビザラインで必要なマウスピース(アライナー)は何枚?多くなるケースもある? - 2023/2/9
- インビザラインの通院頻度は月に何回?何をするの? - 2022/10/14