インビザラインの費用相場はいくら?どうしてクリニックによって違うの?
こんにちは!船橋市のタワーサイド歯科室、歯科衛生士の加藤です。
インビザラインは日本で最も普及しているマウスピース型矯正装置といっても過言ではないでしょう。矯正治療システムとしてしっかり確立されており、きちんとした診断に基づき、患者さんは安心して矯正治療を受けられると思います。
そこで気になるのがインビザラインの費用。質が高い矯正治療システムだけに、費用も高くなりそうで不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。今回はそんなインビザラインの費用相場やクリニックによって料金設定が異なる理由、インビザライン費用の内訳などを分かりやすく解説します。
目次
インビザラインにかかる費用相場
費用相場は800,000~1,000,000円前後
様々なケースがありますが、標準的なワイヤー矯正施術料の費用相場は概ね700,000~900,000円前後でしょう。インビザラインに関しては800,000~1,000,000円程度とお考え下さい。
先進的でカスタムメイドな医療装置なのに、従来法とインビザラインの費用があまり変わらないことに驚かれるかもしれません。インビザラインは様々なプロセスのデジタル化が進みシステム化されているため、コストカットできている部分があるためと言えるでしょう。
ワイヤー矯正と費用が大きく変わらない理由
例えば、当院のように「iTero(アイテロ)」と呼ばれる口腔内3Dスキャナーを導入しているクリニックであれば、従来の不快な“型取り”が不要となります。お口の中にiTeroの小型のスキャナーをかざすだけで、歯列の情報が得られるからです。その情報は瞬時に利用可能なデジタルデータとしてアメリカのアライン・テクノロジー社に送信することできます。
それに比べ従来は、シリコーン印象材による型取りを行った後、その型をアメリカへ空輸しなければなりません。その過程だけでも2週間を要しました。
瞬時に送信されたデジタルデータを使って、治療用マウスピースであるアライナーをCAD/CAMにより設計製作することができるため、手間や時間を大幅に省くことができるようになっています。
なぜ、クリニックによって費用が違うの?
インビザラインはシステム化された矯正装置ではあるものの、クリニックによって費用は異なっています。それにはいくつかの理由があります。
インビザラインは健康保険が適用されない
インビザラインやワイヤー矯正といった歯並びの治療は、例外を除き健康保険が適用されません。つまり、それぞれの歯科医院が費用を自由に設定できる“自由診療”となることから、クリニックによって費用に違いが見られます。
インビザラインの種類の違い
ひと言でインビザラインといっても、実はたくさんの種類があるのをご存知でしょうか?
インビザラインと聞いて皆さんが思い浮かべるのは「インビザライン・コンプリヘンシブ」と呼ばれるもので、いわゆる“全顎矯正”にあたります。すべての歯が治療対象となるため、費用も一番高くなるコースです。
当院のインビザライン・コンプリヘンシブの矯正施術料は880,000円(税抜)となります。その他インビザラインには、インビザラインGO、インビザライン・エクスプレス、インビザライン・ライトなどの種類があります。
詳しくは【インビザラインの種類を徹底解説!症例や年齢で選ぶ種類が変わります】をご覧ください。
治療範囲の違い
インビザラインの費用に違いがある理由としては、治療範囲(治療難易度)にも違いがある点が挙げられます。前歯のみで処置が可能な場合や、片側の顎だけ治療が可能であれば、全顎矯正よりも費用が安くなります。クリニックにより必要とする治療範囲の判断が異なることがあるために、提示される治療費用が大きく変わることがあります。
当院では、前歯だけの両顎の「インビザライン・エクスプレス」の矯正施術料は440,000円(税抜)となります。前歯のみ且つ片顎だけであれば280,000円(税抜)の矯正施術料でインビザライン・エクスプレスの治療を受けられます。
その他、軽度の歯並びの異常であれば、「インビザライン・ライト」を適応することで費用を安くできることがあります。
患者さんの年齢による違い
インビザラインの種類と費用は、患者さんの年齢によっても変わります。いわゆる成人矯正は上述した通りなのですが、インビザラインの小児矯正版では、費用がかなり安くなります。具体的には「インビザライン・ファースト」と呼ばれるもので、小学生の混合歯列期のお子さんが対象となります。
かつて、インビザラインによる矯正治療は大人に使うものだったので、小学生が対象となるインビザライン・ファーストの開発は業界内でも画期的な出来事でした。
そんなインビザライン・ファーストを当院では矯正施術料400,000円(税抜)で受けることができます。インビザライン・コンプリヘンシブの半額以下ですね。お子さんの矯正治療をマウスピース型矯正装置で行いたいという方にご紹介し、ご検討いただけます。
学会による矯正認定医取得済みのドクターは治療費が高い傾向
インビザラインは診断から治療計画の立案、マウスピースの製作に至るまで、治療プロセスがシステム化されている矯正法です。
しかし、矯正歯科医の技術や知識、経験によって、実は仕上がりが変わってきます。若い矯正歯科の先生が経験を積んだ証として、そのドクターが任意で所属する学会にから“認定医”を取得していることがあり、これは特に従来のワイヤー矯正についての経験値の参考になる場合があります。
認定医の資格を学会から与えられた先生は一定の訓練を受けており、一般歯科の先生が行うよりも精度の高い矯正治療を実現できることが多く、そのため、矯正認定医による矯正治療の方が値段も高くなる傾向にあります。
ただし、学会には様々な団体があるとともに、また学会に所属していない矯正歯科医の先生や、認定医の更新を行わずに認定医の資格を手放す先生もいらっしゃいます。また、認定を得る要件にマウスピース矯正の修練は通常含まれていないのが現状です。
インビザラインの費用の内訳
インビザラインの費用の内訳は次の通りです。
カウンセリング・矯正相談
矯正治療の入り口であるカウンセリングは、分からないことを聞いたり、ご希望やご不安に感じていることを伝えたりする場です。すぐに治療を開始するためのものではないため、まずはお気軽に受けてみください。カウンセリングの費用は、無料で行っているところもあれば、5,000~10,000円くらいに設定しているところもあります。
治療前の検査・診断
インビザラインでは、口腔内スキャナーを用いてお口の中の情報を取得したり、コンピューター上で歯の移動のシミュレーションを行ったりします。そうした検査や診断、治療計画の立案にかかる費用の相場は50,000円前後です。これは一般的なワイヤー矯正と大きな差はありませんが、より安い費用で検査を実施しているクリニックもあります。
マウスピースの製作・装着
インビザライン矯正に使用するマウスピース(アライナー)は、治療を開始するまでに、治療のゴールまでの分をすべて製作します。その費用の相場は800,000~1,000,000円前後です。
調整料・管理料
矯正期間中は、定期的にご来院いただき、歯の移動状況やお口の中の健康状態をチェックします。そうした調整料・管理料は1回あたり3,000~10,000円程度かかります。また、歯の移動が終わった保定期間中の経過観察につきましても同様の費用がかかります。
保定処置
歯の後戻りを防止するための処置です。保定装置(リテーナー)を装着して、歯の位置を固定します。インビザラインには「ビベラリテーナー」というマウスピースタイプの保定装置がありますが、一般的なリテーナーも使用できます。保定装置代の相場は20,000~50,000円程度です。
当院では保定装置代は矯正施術料に1つ(1組)含めた料金設定となっています。
治療費用のお支払い方法
インビザラインの費用のお支払い方法は、以下の4つの選択肢があります。クリニックによって対応している支払い方法が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
- ① 窓口での現金払い
- ② 金融機関への振り込み
- ③ クレジットカードを利用した決済
- ④ デンタルローンの利用
まとめ
インビザラインの費用相場についてお分かりいただけましたでしょうか。システム化された矯正法ではありますが、クリニックによって費用が大きく異なるのは第一に自由診療だからです。
また、インビザラインにもいろいろな種類があって、適応できる装置による費用の違いなどがあるため、料金体系が複雑になっている点にご留意の上、治療を受けるクリニックをご選択ください。
なお、当院の矯正治療費用の詳細は以下をご参照くださいませ。
歯科衛生士 加藤
最新記事 by 歯科衛生士 加藤 (全て見る)
- インビザライン治療後に装着する保定装置「ビベラリテーナー」とは? - 2023/8/3
- インビザラインで必要なマウスピース(アライナー)は何枚?多くなるケースもある? - 2023/2/9
- インビザラインの通院頻度は月に何回?何をするの? - 2022/10/14