予防歯科PREVENTIVE DENTISTRY

歯科は治療から予防の時代へ、4ヶ月毎の予防受診をお勧め、予防歯科でお身体も健康に

予防歯科が大切な理由REASON

病気になれば病院に行って医者に治してもらえばいい。むし歯になれば、歯医者さんに治してもらえばいい、と安易に考える方は少なくありません。しかし、自分の歯についてきちんとカウンセリングを受け、定期的に歯医者に通えば、そもそもむし歯になることもありません。 何かあったとしてもごく初期の状態で問題を発見できるため、たとえばむし歯であれば、歯を削らずに済ませることができ、痛い思いをしなくて済みますし、お金も時間も最小限で解決できます。むし歯や歯周病予防のための予防歯科に来られる方が最近は増えています。

《 むし歯 》
むし歯は「ミュータンス菌」という細菌が原因でおこります。ミュータンス菌は歯面に強烈に付着する性質を持っており、付着性のない細菌達もミュータンス菌を足掛かりにして、次から次へと歯面に付着していきます。そして、細菌同士スクラムを組んだ固まり=バイオフィルムを形成します。このバイオフィルムはたくさんのむし歯菌や歯周病の原因菌の住みかとなり、ハミガキや薬品では破壊することができないのです。
バイオフィルムという強力なバリアで守られた細菌は、糖分と結合して、歯を溶かす酸をつくります。まず、歯の表面にあるエナメル質を溶かし始め、エナメル質の下まで達すると、酸に弱い象牙質が急速に溶け、むし歯が早く進行していくのです。
いくらむし歯を削って詰め物をしても、むし歯菌自体がなくなったわけではありません。定期的にむし歯菌そのものを減らさなければまたむし歯になってしまうのです。
《 歯周病 》
日本人のほとんど(80%以上)は歯周病にかかっていると言われていますが、歯周病(歯ぐきから血や膿が出る、歯ぐきが腫れる、歯ぐきが下がって歯が長く見える、歯がぐらぐら動く、または歯が抜ける、口臭などの症状が出ます)も、歯周病菌をはじめとする様々な細菌が原因であり、噛み合わせ、歯ぎしりや食いしばり、食習慣、生活習慣なども密接に関係しています。
歯周病菌は歯の土台となる骨を溶かしてしまうので、やがて歯茎が歯を支えられなくなって、歯が抜けてしまいます。80歳になったときに残っている日本人の歯は平均で5本前後しかありません。それに比べて北欧では、80歳の時に残っている歯の数は平均25本です。「そんなにむし歯はないから」なんて油断して放っていたら、歯周病で歯を全部抜く羽目になってしまった、なんていうことが、日本人では40歳代~50歳代の人でもよくあることです。歯周病は、歯の土台となる骨そのものを溶かしてしまうだけでなく、全身疾患(肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、動脈硬化、早産、肺炎、ガンなど)に関連しているということが徐々に明らかになってきており、実は恐ろしい病気なのです。
たとえば北欧のフィンランドでは、歯に何のトラブルがなくても3ヶ月に一度歯科医院に行くことが義務づけられています。どこも痛くないのに歯医者さんで何をするかというと、お口の中の診察と歯のクリーニングをして、むし歯の原因菌や歯周病の原因菌を取り除いてもらっているのです。意外かもしれませんが、1日3回歯磨きをするけれど歯医者に行かない人よりも、1日1回しか歯磨きをしないけれど、3ヶ月に一度、歯医者さんで歯のクリーニングと正しい歯磨きの仕方を教えてもらっている人のほうが、将来歯を多く残せるのです。
歯肉炎(初期の歯周病) 歯の付け根あたりに、歯垢が溜まった状態です。歯垢や歯石によって炎症が起こり、歯ぐきが腫れます。
歯肉炎(初期の歯周病) 歯肉が赤く腫れている状態が進行していきます。歯周ポケットが深くなり、骨も痩せてきます。
歯肉炎(初期の歯周病) 最終的には歯石になった歯垢が肥大化して歯ぐきも骨も痩せ細り、歯がグラグラになり口臭もきつくなります。

予防歯科のメリットMERIT

予防中心の歯科医療を行うと、治療にかかる時間、費用、生涯で失う歯の数、治療時の苦痛、全てが少なくてすみます。 歯が白くなり、歯ぐきも健康的なピンク色になりますから、笑顔の印象も自然と良くなります。予防歯科で爽やかなお口を手に入れれば、気分も変わり、将来の病気の予防にもつながります。口の中を健康に保つことで、ガンや心筋梗塞、脳卒中などの病気にかかる確率も下がると言われています。

予防歯科とはOVERVIEW

|PMTC・歯磨き指導|

PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯磨きのプロ(P)が行う器具・機械(M)を使った歯(T)のクリーニング(C)です。4~6ヶ月に1回、PMTCを受けて歯をきれいにクリーニングしましょう。
また、当院では定期検診のときに歯みがき指導をしています。ご自分の今のみがき方が正しいかどうか、一度確認してみてください。 歯科医院で定期検診を受けて、自宅で正しい歯みがきができれば、むし歯や歯周病になる可能性はかなり低くなります。

|フッ素|

フッ素は歯に塗ることで歯の質を強くし、むし歯になりにくくする薬です。しかし「フッ素を塗っているから、あとは何もしなくても大丈夫!」というものではありません。定期検診を受けたり歯のクリーニングをして、自分でもきちんと歯みがきをした上で、さらにむし歯のリスクを減らすために利用するもの、それがフッ素です。

予防にかける私たちの思いMESSAGE

これからの歯医者の仕事は、むし歯を作らせないこと。歯周病にさせないことだと思います。 本当に患者さんの健康や幸せを考えるのなら、治療が必要にならずに済ませられることが一番です。それには予防するしかありません。予防に本気で取り組んで、一生、口に関するストレスがない状態をサポートできることが、歯医者の最も重要な仕事のひとつだと私たちは考えています。

もちろん私たちが全力でサポートしますが、自分の歯や健康を守ることができるのは自分だけです。年をとっても、自分の歯でごはんを食べられる健康で幸せな未来を、予防歯科から手に入れましょう。

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