かみ合わせが悪くなってしまう原因は、先天的(遺伝的)なものと後天的(環境的)なものに大きく分けることができます。
生まれつきの骨格の問題などでかみ合わせが悪くなってしまうのは先天的な原因ですが、指しゃぶりや頬づえ、口呼吸などの生活習慣でかみ合わせが悪くなってしまうのは、後天的な原因です。
上下の顎のバランスが悪いまま大人になると、顎の関節(顎関節:がくかんせつ)や顎の周りの筋肉のバランスも悪くなってしまいます。そのままでいると全身のバランスも悪くなり、体に症状が出たり、顎に痛みが出てきたりします。
多くの人が気付くのが、顎の痛みや顎が鳴るといった症状です。
顎に痛みがあったり、顎が鳴ったり、口を大きく開けることができない――これらは、顎関節症(がくかんせつしょう)の典型的な症状です。
その他、頭痛、肩こり、首のこり、腰痛など、不定愁訴と呼ばれる症状。
耳の痛みや耳鳴り、難聴やめまいといった、耳周辺に出る症状。
目の疲れや充血、涙が出るという、目の周辺に出る症状、歯や舌の痛み、味覚異常、口が乾く、食べ物を飲み込みにくいといった、口関連の症状など、一見、かみ合わせとは無関係に思われる症状が出る場合もあります。
もちろん上記に挙げた症状すべてがかみ合わせだけで解決するとは限りません。複合的にいろいろな要素が絡んで、全身の症状となってあらわれているのかもしれません。しかし、他のあらゆる治療をためしたけれど一向によくならない場合、かみ合わせという原因が見落とされている可能性があります。